腰椎分離症とは
背骨の腰の部分(腰椎)で生じる疲労骨折であると考えられています。
学生野球選手の5人に1人は分離症になっている為、20人いるチームでは4人は分離症になる可能性が高いです。
原因
野球の打撃や投球の時に腰が過剰にひねられたり(回旋)、反ったり(伸展)することで、腰椎にストレスが加わって生じる。
特に右打ちの選手は腰椎を左に回旋することが多い為、反対側の右の分離症を起こし易いことが分かっています。
その為、右打ちの選手で右側の腰痛の訴えがある場合は、分離症の可能性が高い為、早急に整形外科での医師による診察が必要となります。
治療の考え方
分離症は疲労骨折である為、治療は骨折と似たような考え方で行われます。
医師の診察やレントゲン、MRIの撮影で分離症が見つかると頑丈なコルセットを作って、お風呂以外はコルセットを着用して過ごさなければなりません。
腰椎をひねる、反ると骨折している部分にストレスが加わってしまい、骨がくっつくのを邪魔してしまう為、コルセットを着用して腰椎への負担を避ける様にします。
医師の判断で骨をくっつけると判断した場合、3ヶ月~6ヶ月程度はスポーツをすることは出来なくなります。
骨をくっつけるのを諦めて治療をする場合もありますが、基本的には骨がくっつく治療が多い為、診察した医師の指示をよく聞いて、治療を進めていく必要があります。
リハビリの考え方
大きく2つの分かれています。スポーツの許可で出ていない時とスポーツの許可が出てからの2つです。
まず、スポーツの許可が出ていない時に出来ることは、股関節の柔軟性の獲得と体幹筋の強化です。
スポーツの許可が出てからは腰椎への負担を注意しながら、胸椎の柔軟性の獲得や実際の打撃や投球の動作の確認を行っていきます。
このスポーツの許可は理学療法士やチームのトレーナーが行うのではなく、必ず医師によって行われる為、選手が受診している医師の指示に従っていきましょう!
関連文献
1)照屋翔太郎, et al. 発育期野球選手における投球/打撃動作と腰椎分離症発生側との関連性. Journal of Spine Research, 2020, 11.1: 22-26.
2)三宅秀俊, et al. 成長期腰痛患者における腰椎分離症患者の特徴. 日本臨床スポーツ医学会誌/日本臨床スポーツ医学会編集委員会 編, 2021, 29.2: 228-234.
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